明日が今日より楽しく平和でありますように

アメリカで子供の鬱を経験した話

学校からのサポートを得られる手続きは1~2カ月を要する。

アメリカで子供を精神科医に診てもらうのはそんなに簡単にするっとはいきません。ましてや、学校で特別な支援を要請している場合、カウンティの許可が必要なため、一連の手続きを踏んでから、ということになります。

これは、いかに学校側が速やかに動いてくれるか、にもよるのですが、法律上、学校は、その状況によって(いくつかのクライテリアがある)、子供にサポートを提供する義務があります。不安障害もその一つです。

学校側への要請に関しては、冷静に戦う覚悟が必要で、誰の事も決して責めてはいけません。あくまでも冷静にお願いする、というスタンスで…。

学校はのらりくらりとしてるイメージではありますが、30日以内に確定しなければいけないという決まりが一応あります。この間、学校側は、一連の検査として、聴力・視力を調べたり、心理カウンセラーがインタビューしたり、IQをチェックしたりします。

この要請するサポートというのは、IEP (individual Education Program)というもので、これが受け入れられると、学校側は、個別で学習面や精神面を支援するわけですが、公立学校ということで、これには行政(自治体)も関わることになり、自宅にセラピストが来たり、いろいろ身の回りが忙しくなる感じです。

しかしながら、この間も、時間はどんどん過ぎるのに子供は学校にも行かず、勉強もさほどするわけでもなく、親としては焦りが出ます。数学とかどうなっちゃうんだろう…こんなに勉強が遅れて大丈夫なのか、進級できなかったらもう一年繰り返し?とか。

でも、一番大事なのは、親が焦らない、不安がらない、子供を信じてサポートしてあげる、責めない。そんなとこです。

 

アメリカで子供が鬱に。それは突然にやってきた。でも本当は突然じゃない。

ある日突然、小中学生のお子さんが学校に行けなくなったらどうするだろう?
学校から、「今すぐ迎えに来て」コールが入ったら、大概の親は慌てふためくに違いない。

これは、鬱になってしまった我が子と一緒に歩んできた親子の歴史のようなものだが、もし、同じような状況に置かれている方のお役に少しでも立てるなら幸いです。

勿論、人それぞれだが、それは多くの場合、次のような症状から始まる。
ーーーー 朝、起きられない。
ーーーー お腹が痛い。
ーーーー 頭が痛い。

最初は、単にどこか悪いのかな?と思うのだが、何日経っても、同じ症状が続く。
念のために、血液検査をしたり、健康診断を受けたりしても、通常は異常なし。MRIも同じく。

では、なぜ?何?何なの?と親は焦る。

なんせ、学校に行かないんですから…。
中学ともなると、勉強内容も難しくなり、一日休むと、課題やテストなど、どんどん授業に遅れを取って、ますます行けなくなってしまう。が、親の心配はそれだけではない。
アメリカでは、学校に行く年齢の子を、親が行かせることが出来ない場合、行政からの指導が入ります。義務教育なので、それでも子供が学校に行かなかった場合は、親が裁判所に呼ばれたり、場合によっては罪に問われたりするため、親は「うちの子が引きこもっていて…」などと悠長に構えてはいられない。
また、公立学校では、州から予算が出ている関係もあり、出席状況は詳しくチェックされる。

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というわけで、我が娘は、中学2年の秋から学校に行けなくなった。

突然のように始まった引きこもり、だけど、実際は、親の私がずっと子供のサインに気付かなかっただけで、本当はずっと前から兆候があった筈なのだ…。

次回に続きます。